エッセイ「クリスマスのご馳走」

雪深いこの村にキリストの福音が伝わったのは、70年前のことです。

そのころから数人の人たちと、祈り会が続いています。

クリスマスが近づくと、99歳になる姑(しゅうとめ)がかならず、「感謝のお祈りのあとは、つきたての餅でご馳走しらっしゃい。ケーキよりうまいよ」と。

まあ、いいか! イエス様の時代もケーキはなかったし、今年もお餅とお漬物でキリストのご降誕を祝います。

文・井之川秀子
絵・神南響子