エッセイ「母の目」
私の母は生まれつき目に障害があって、
ものがよく見えない。
子供のころ、そんな母を、
友達に紹介するのが恥ずかしかった……
だけど、私のうわばきはいつも真っ白。
新品のようにきれいに洗ってくれた。
ある日、窓もないのに、
母の後ろに光が射しているように見えた。
母の目の奥はいつもきらきらと光っている。
お母さんには見えないものが見えているのね。
今は、心の底から自慢できる、
「私のお母さん」
(澤田にじ子)
本記事は、月刊誌『生命の光』2020年5月号 “Light of Life” に掲載されています。